アーバンアジング

怪しい雲行き。
夕方から小雨がパラつくかもしれない。
夜から未明にかけては風が強まるかもしれない。
16時間は海に浮かぶ堤防の上に居続けなければならない。

そんなのどうでも良いから、とにかく体験してみたかった事。
外房アジングのアクションが全く通用しないって?
ここのアジは、脂がのっていてめちゃくちゃおいしいって?

百聞は一見にしかず。
待ちに待った横浜沖堤に行ってきた。 

沖堤デビュー戦

釣友と、「 沖堤に行く時は一緒に行こう」と言ってから、2年くらい経ったんじゃないのかな?
何だかんだで都合がつかず、結局2年越しになってしまった。
前回一緒に釣行したTさんはかなりの沖堤フリークで、今回の自分たちの沖堤デビューをガイドしてくれることになった。
とにかく初めてなので何もわからない自分たちに、渡船をしてくれる釣具店の場所や駐車場の場所、
沖堤に渡ってからのポイントなど、何から何までエスコートしてくれて本当に助かった。
ありがとうございます。

Tさんは仕事が終わってから合流するので、自分と釣友が先に渡っておくことになった。
子供のようにわくわくしすぎている自分たち2人は、かなり早くから「余裕を持って」行動し、午後2時には沖堤に向かう渡船に乗り込んだ。

迎えは翌日の朝6時。
「普段から一晩中釣りをしているけど、16時間も同じ場所で釣りをしたことなんてないな…まぁ、初めての場所だから、明るいうちに潮の流れや水深に慣れないとな」

そんな事を考えながら、船上からの景色を見ると、見える風景は都会のど真ん中。普段外房で釣りをしている自分からすれば、全く異なる雰囲気。こういうのも悪くない。

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堤防に到着し、荷物を下ろす。
平日の昼間っていう事もあり、4人くらいしか人が居ないしアシンガーは自分たちのみ。
同じ渡船に乗ったアジンガーさん1人合わせて3人だ。
そのアジンガーさんは、夜の最終便で帰るらしい。
次の日は8時頃から仕事だという…釣りバカだな(笑)
3人で並んで場所を確保して、のんびりと準備を始めた。

状況確認。異常なし

最近の傾向としては、夕まずめぐらいからアジの反応が出てくるらしいので、それまでの間はレンジ確認や潮の流れをチェックする。

今日の先発ジグヘッドはアジデントの1g。
ワームはチビキャロスワンプの「上関ブルーエンゼル」でスタート。
明るい時は、レインズのクリア系ケイムラ信者ですから。
わずかな追い風で今のところコンディションは良好。
ボトムのカウントとラインテンションのキープ方法を確認しながら、いつもと違うロッド操作を意識した。

そう、ここのアジングは、外房と異なり水深が深く、潮の流れが速いのにプラスしてしょっちゅう流れの向きが変わるとか。
しかも、アジのバイトがあるレンジがほとんどがボトム付近らしい。
その都度状況に合わせて対応しなければ、全くアジが喰ってこないことも…
ロッド操作も、話では聞いていたけど殆ど巻かないみたいね。ラインテンションを張るために巻くイメージ。
初めて沖堤に来た人は、苦戦する事が多いって聞いていたから余計に楽しみ。
リアクションやフォールでのバイトが多い外房アジンガーからすると、何だか信じられない気持ちで、とにかく早く1匹目を掛けて感覚を掴みたかった。

ボトムまで落として、テンション確認の為にリグをリフトさせる。
水深があるので、1gのジグヘッドでさえ重みをしっかりと感じる。楽しい!
潮の流れはゆるやかで、練習には良いコンディションだ。
でも、周りの餌師を含め、アジからの反応は無く、ゆっくりと時間が過ぎて行った。

横浜アジング

巻かないアジング

仕事を早く切り上げたらしく、予想以上に早くTさんが到着した。
挨拶もそこそこに、サクサクと準備を終わらせ、「始めますか」と。

ここぞとばかりに、Tさんのロッド操作を必死でチラ見(笑)
なるほどね…動かさないし巻かないし、オレ、我慢できるかな…。
そうこうしているうちに、Tさんのドラグ音が響く!
さすがだなぁ!と感心していると、隣の釣友もドラグ音を鳴らす!
楽しそうな雄叫びをあげながら上がってきたのは…見た事もない体高のメタボアジ…?!
しかも良いサイズ!

少し焦りながら、リグの操作に集中する…待つ…

トンッ

「なんかちっちゃいバイトだな」
そう思ったけど反射的に合わせを入れるとロッドにずっしりとした重みと共に、ギューンと走る感覚!
気持ち良い(笑)
引きを楽しんで顔を出したのは、中々のサイズのアジ。
「タモ使いますか?」
Tさんが気を使ってくれたけど、ラインの強度確認もしたかったのでそのまま抜きあげる事に。
ライン負荷に気をつけながらよっこらしょっと…慎重に抜きあげ成功。

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ブレてるし、この写真じゃわからないけど28.5cm。
初の横浜アジGet!
外房じゃ久しく上げていないサイズ!
もたもたしてると地合いが過ぎてしまうので、喜んでる暇は無い!
再現を確認する為に再びキャスト!
カウントをしっかりと取る…ラインテンションを確認する…待つ…待つ…待つ…
…ティップが少しおじぎをした。
?…「違和感があったらとにかく空アワセをしろ!」と何かの本で読んだ事がある。
ギュンとロッドが曲がり、ドラグが鳴る。これぞティップランアジングってヤツ?
気持ち良いー!!(笑)
この体高があるメタボアジ!

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なるほどね。この感覚なのね。
興奮しすぎて写真がブレてるじゃないか。

もう1回再現取れたら感覚掴めそう。
すぐにキャスト!…ボトムまでしっかりカウント…。
ラインテンション確認。…待つ…。
リグが少し流されてラインテンションが緩んでくる。
チョンチョンとリフトさせ、再度テンションフォール…
「反応無いな…」
少しずつリグが手前にやってくる。
「そろそろ巻きあげようかな…」
と思った矢先に…トゥン

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かなり足元で喰ってきた。
みんな体高があって、丸々としているおいしそうなアジ。
最近は豆アジばかり釣っていた自分からすれば、20cm超えているだけでも満足じゃ。

1回のキャストから回収までにかかる時間が長いけど、ポツポツと釣れ続く。
周りが暗くなってくるにつれて、予報通りに小雨が降り始めた。

心に少し余裕が出てきたので、外房スタイルのアクションを試してみる事に。
ボトムを取って、ゆっくりとリールを巻きながらリフト&フォール…無視される。
ボトムを取って、ゆっくりとリールを巻く…相手にされない。
ボトムを取って、シェイクしながら早めに巻く…つまらない。

同じアジなのに、ここまで反応に違いがあるんだね。びっくり。

シーバスに食われろ!

暗くなってからもポツポツとアジは釣れ続ける。
ボトムからアジを引きずり出すこの感覚は、本当に気持ち良い。

最終便で、Tさんの友人のSさんが到着し、翌日仕事のアジンガーさんは帰宅。
またお会いした時は楽しみましょう!

気付けば夜通しで残るのは自分たち4人のみに。
Sさんとは、以前に1回だけ外房でお会いした事がある。
天候が悪いせいか、これって最高のシチュエーションじゃない?!
4人で気兼ねなく好きな所でアジングを楽しむ時間が始まった。

隣で釣友がアジを掛け、気持ちよく引きを楽しんでいる。
…ん?何かさっきよりもドラグが出っぱなしになって、中々上がって来ないな?
「あーっ!!シーバスに喰われた!!」
どうやら、掛かったアジにシーバスが喰いついてきたようだ。
足下を見ると、結構なサイズのシーバスがウヨウヨしてるじゃないか…
アジング用のロッドとラインで、このサイズのシーバスと勝負できる訳もなく、ラインブレイク。

その後、誰かがアジを掛ける度に、「シーバスに喰われろ」と言い合い、引きを楽しまずにゴリ巻きでアジを回収する時間がしばらく続いた。

06

夜になってからは、ジグヘッドはアジデントの1gのまま、ワームはチビキャロスワンプの「グローオキアミパワー」の反応が良い。掛かってくるのは皆20㎝オーバー。
表でバイトが減ってくると、裏側の暗がりに行けばそっちでもポツポツと釣れる。
ただ、次第に風が強くなり、潮の流れも早くなってきて、釣り辛い状況へと変わっていった。

ラインスラッグが出て、なかなかラインテンションを保てない。
狙ったポイントにリグが届けば釣れるけど、自分はまだまだ横風に弱いと痛感した。
周りはそんな中でもポツポツと上げている。やっぱり上手いな…

さすがに少し疲れが出てきたので、お酒を飲んで少し仮眠することに。
幸い真冬の防寒具で挑んだので寒さは感じない。風裏で横になって、少しの間休むことにした。

オレのアジを返せ

アーバンアジング

1時間位寝たのかな。
何となく目が覚めると、さっきよりも風が弱くなっている。
側ではTさんも寝袋に入って寝ているが、釣友とSさんの声が聞こえる。
どうやら釣れているらしい。

じゃあ、また楽しみますか。
少しボーっとした感覚のまま、すぐさまキャストをする。
ラインスラッグも少なく、そのままテンションフォールでボトムを取りに行く。
カウントが終わると同時にティップが入った。
ほいっと合わせると心地よい重みが乗る。
寝起きの1発目は気持ち良いなぁー!なんて思って楽しんでいると…

ズンッと更に重くなり、どんどん右に持っていかれる!ドラグが鳴りやまず、どんどんラインが出ていく。
「まずいっ、もしかして?!」
足下を見ると、相変わらずシーバスがウヨウヨしている
はい、周りの願っていた通りにシーバスに喰われましたよ。オレのアジを返して下さい…

邪魔にならないように、シーバスに連れられて右の方に歩いていく。
ラインテンションを保ちつつ、時折ロッドで寄せてリールを巻くが、しばらくすると底の方にグングン潜っていこうとする。
もうね、何にもできません。
ドラグを締めると、エステルの細ラインはすぐに切れてしまう。
姿は見てないけど、このサイズのシーバスと勝負するロッドパワーは持ち合わせてない。
念の為、釣友がタモを用意して一緒に歩いてきてくれたが、どうせ弱らせて釣りあげたとしても、持って帰れないし、疲れたから強引に巻いて寄せようとしたところ、フッとテンションが無くなった。

リーダーの結束部分で切れてしまった。
寝起きにシーバスに散歩してもらって目が覚めた。
アジングしよ。

夜景が綺麗なアーバンアジング

定位置に戻り、アジング再開。
表がダメなら裏で、裏がダメになったら表で、時には両方で飽きない程度に釣れ続ける。

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サイズはみんなそこそこ良いサイズ。
ただし、そろそろ心配になってきた。
そう、自分は釣れるだけ釣って数を競うようなスタイルでは無く、自分でさばける範囲内の数で収めたいスタイル。
だからクーラーボックスは9リットルで、これ以上サイズを上げないようにしている。
外房サイズのアジが60匹くらいでパンパンになるけど、横浜サイズならその半分くらいでパンパンになりそうだ。

写真を撮ったり、休憩を多めに入れながら楽しむ事にした。

アーバンアジング

工場地帯の夜景も綺麗だな。
その工場地帯をバックにアジングをしているシルエット。

アーバンアジング

やべー…かっこいい。
絵になるね。アーバンアジング!

アーバンアジング

メタボアジの背景にベイブリッジ。

そうこうしているうちに、夜明けの時刻が近付いてきた。
さぁ、朝マズメはあるのかな?
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薄暗いうちにポンポンと連ちゃんして、明るくなってからはパッタリと止まった。
Tさんが最後に泣き尺29.5cmを上げて終了。

新たな魅力を感じてしまった

アーバンアジング

これにて横浜沖堤アジングは終了。
今まで感じた事のない感覚に病みつきになりそう…
この経験は、アジングロッドへの考え方も変わってきそうだ。

外房には無い魅力を感じ、ロッド操作やラインさばき、レンジ操作、もっと上手くなりたい。
強くそう思った貴重な釣行だった。

タックルデータ

●ロッド:In Fighter 5′5″
*ブランク:MagnumCraft LGS5917
*ティップ:チタンティップ(0.6-1.2×210)先端から170使用
●リール:シマノ ストラディック1000S
●ジグヘッド アジデント 0.8g-1.0g
●ワーム レインズ チビキャロスワンプ「上関ブルーエンゼル」「グローオキアミパワー」
      レインズ アジリンガー「グローオキアミパワー」
      レインズ アジリンガービクトリー「グローオキアミパワー」

釣果

 マアジ
 ●28.5cm 2匹
 ●25~26cm 5匹
 ●20~24cm 25匹
 ●18~19cm 2匹

カサゴ
 ●10cm 1匹 

それでは、素敵なFishing Lifeを!