インスタで軽く紹介しましたが、2本のシグネチャーロッドが完成しました。
今回はMIZAR代表海猿さん(Instagram)のシグネチャーロッドを紹介します。
潮音-SHION- 操-MISAO- 53DP 海猿signature model
MIZAR(ミザール)のチタンティップ、ULTIMATE TOPの17Deepを採用したDeepアジングに特化したモデル。
水深10m以上をジグヘッド単体の0.8gから1.3gで、アクションフォールでのスローアジングを楽しむために海猿さんが突き詰めたセッティング。
昨年10月にお渡ししたプロトロッドを使用した上でのフィードバックを元にカタチにした海猿さん専用機。
市販品では絶対に出すことが出来ないピンポイントで尖った性能だ。
スペックにはめちゃくちゃこだわりがあるけど、見た目にはあまりこだわりが無い海猿さん。
カラーを聞いても「何でもええよ」とそっけない笑
そうなったら、ボクの中での海猿さんのイメージカラーで作ってやる。
昔から、なぜか海猿さんのイメージは赤。
赤と言えば、仮面をかぶったキャラが搭乗する性能3倍増しのカッコいい機体たち。
直線と曲線をうまく融合したデザインで纏められるかな?
スペック
【レングス】5フィート 3インチ
【ブランク】
マグナムクラフト AJX5917
【ティップ】
MIZAR ULTIMATE TOP17Deep
195mm
※デフォルトから5mmカット
【ガイド】
T2-LFTT3-0.7 ×1
T2-KTTG3 ×5
T2-KTTG6 ×1
T2-ATTG10×1
ALLトルザイト8ガイド
【リールシート】
Integrated Carbon Food
DPS-SK skelton Ver.SHORT Nose
Carbon Splash Design
NT-B SYSTEM
【ウェイト】
33.5g
【エンドグリップ】
リールフットセンターから 105mm
【バットガイド位置】
リールフットセンターから 450mm
ビジュアル紹介
チタンティップ部のスレッドはEZスレッドを採用。少し透けたキャンディーレッド風なビジュアルは高級感が出る。
バットガイドにはワンポイントで「TORZITE」の筆記体文字を入れる。
ここに文字を入れるだけで結構印象が変わる。
バットガイド位置は、リールフットセンターから450mm。
NT-B SYSTEM搭載により、スプールから放出されるラインがバットガイドに当たる抵抗を極力減らしつつ、バットガイドをリール側(手前)に寄せて、
「バットガイドの小型化」
「ガイド重量の軽量化」→「ロッドの軽量化」
「ロッドの軽快感向上」
「バットパワーの向上」
「ドラグ性能の向上」
「ロッドバランスの向上」
「ライントラブルの減少」
を実現。
エンドはリールフットセンターから105mmと、超ショートエンド。
シングルハンドでキャスト出来ない人は使用できません。
ショートエンドにする事により、ロッド捌きの操作性が格段に向上するけど、市販のロッドしか使ったことが無い人は体験することが出来ないため、敬遠されちゃうのよね。
魚をかけた後の自由度が、更にアジングを楽しくする。
デメリットは、デカアジをかけた後にエンドを肘や腕に当ててサポートできない為、デカアジが連発すると手首が死亡する。
自衛隊で鍛え抜いた海猿さんならデメリットになる事は無い。
飾り巻きの代わりにカーボンブレードホースを被せ、その上にメタルレッドのスレッドでシングルクロスラッピングをする事により、「和」のイメージを作り出す。
シリーズネームである「潮音」の漢字ネームとの相性を考えたデザイン。
カーボンブレードホースとメタルスレッドをコーティングする事で少し厚みは出てしまうけど、エポキシコーティングで閉じ込めたこの立体感は見ていて飽きない。
めちゃくちゃ手間が掛かるデザインで、何の性能への恩恵も無いので、超ハイスペック高級ロッドにしか採用しないデザイン。
ロッドネームの「操」は、その名の通り抜群の操作性能を持ったロッドだから。
その下に海猿signature modelの文字を刻む。
リールシートは海猿さんの要望によりショートノーズ化。
それによって、デザインの黄金比が崩れるためにノーズ側のコーティングをわざと厚めにしてバランスを取る。
間延びしたままだと味気ないので、筆記体でUmizaruの文字を入れて引き締める。
フード部分にMIZARのロゴが大きく入っているため、ブランクとリールシートの接続部には、シャープなフォントでMIZAR×BABOCRAFTを入れる。
よーく見ないとわかんないんだけど、×の部分はメタルレッドのピンラインがクロスしている部分で表現しているのは自己満の極みで誰も気付かないだろう笑。
リールシート下部の筆記体には、
Magnumcraft AJX5917
Make Ajing More Fun!
の文字入れ。
文字の面積を減らして集中させる事により、ゴチャゴチャした印象を軽減させつつデザインのバランスを取る。
短いエンド部には、
ULTIMATE TOP 17DEEP
NT-B SYSTEM
FOR DEEP AJING
の文字入れ。
ミニマムエンドの形状も潮音シリーズで同じ形状にして、2段テーパー仕様。
もちろん、エンドは解放していて、ラバーエンドを装着済み。
ロッド重量は33.5g
特別軽いわけでも無いけど、一見コテコテ感のある装飾をしていて、「40gはあるでしょ」と思わせておいて、実際は35g切っているっていうかのがボクの作るロッドの特徴。
軽さと強度と装飾のバランスを取るのは難しいし、自分以外の人が使うなら尚更。
まだまだ必要な軽さを実現させるために切磋琢磨していきます。
制作を終えて
実は、ボクがロッドビルドを始めたばかりの時に読んだ海猿さんのブログのこの記事が、ボクの中にずーっと残っていて、今でも定期的に読み返しているほど「自分がロッドビルドに求めるモノは何か」を考えさせられる内容だったんだ。
①ビルドよりも釣りが好きなビルダー
②釣りよりもビルドが好きなビルダー
長くブログを見てくれている読者の方はすぐにわかると思うけど、ボクは②の釣りよりもビルドが好きなビルダーだ。
そして、アジングが「もっと上手くなる」ためにロッドビルドをしているんじゃなくて、アジングを「もっと楽しむ」ためにロッドビルドをしている。
早い段階でそれに気付かせてくれたこの記事にとても感謝しているんだ。
この記事に出会ってなかったら、ボクのロッドビルドは迷走していたと思う。
それと共に、海猿さんの考えとは異なる事も理解していたので、正直言ってボクが相手にされるわけ無いと思っていた。
なので、MIZARのビルドモニターの話をいただいた時は目を疑ってビックリした。
そして、話をしたり、1回だけだけど一緒にアジングをして気付いたことは、2人共目指すゴールは結局同じで、「多くの人にもっとアジングの楽しさを知ってもらいたい」ってことなんじゃないかなってこと。
海猿さんは、「正しい解釈をして考えてアジングをすると、もっと楽しくなるよ」
ボクは、「ロッドビルドをして唯一無二のカッコいいロッドでアジングをすると、もっと楽しくなるよ」
そして、2人の考えが融合して出来あがったのが、MIZAR×BABOCRAFTの潮音なのだ。
かなり尖ったこのロッドも、一般販売化されるのか?!
その時、「使いにくいロッドだ」で終わらせるのか、「コイツを使いこなせるようになってアジングの幅を広げたい」と思うかはアナタ次第…。
それでは、素敵なロッドビルドLifeを!
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