先日届いたMIZARのチタンティップ、ULTIMATE TOP。
まずは上記の注意点に目を通す。
○多少の歪みや反りはどんなチタンティップでも絶対に有るよ。全く無かったら超ラッキーなんだけど、どうせガイドを取り付ける時とかに多少の反りは出ちゃうんだから、あまり気にせず必要に応じて手曲げで調整しよう。
○諸元より全て5mmほど長い。なるほど、先端部をカットすれば良いんだね。ボクの作るチタンティップの印籠部は全て7mmにしてるから、印籠部も少しカットして使おうかな。
○熱を加えると折れやすくなるから、今までテーパー加工する時はバケツに水溜めて、その中で研磨してたもんな…それでも絶対に熱は加えたことになってたんだろうけど。このチタンティップを使えば、今までチタンティップに費やしていた工数が殆どカットできるから、かなりの時間短縮になるな。
○ブランクとチタンティップを接着する時は、隙間は厳禁だもんね。チタンの印籠部のテーパーとブランク先端のテーパーを合わせるのにも気を遣ってたから、コレを使えばブランク側だけ注意すれば良さそうだ。
なーんて事をかんがえながら、同梱されていた4枚の用紙に目を通す。
さぁて、開封してみよう。
このワクワク感、久しぶりだな…
諸元との比較と自作チタンティップとの比較
最初に開封したのは、上記表のいちばん上にある「17standard」。
ボクの中では、190mm以上の有効レングスのチタンティップは「ロングチタン」っていう位置付けにしてたけど、ULTIMATE TOPの中では「普通」の部類に入るんだな…
これくらいの長さが無いと、チタンティップの本当の性能が発揮できないって書いてたもんな。
とはいえ、ボクが使ってる3本のロッドのうち、2本は190mmで使ってる。
なるほど、確かに5mm長い。
しかし、キレイなテーパーと印籠部だなぁ…
カットするのが勿体無く思ってしまう。笑
ちなみに、これまでボクが自分で削ってたチタンティップとの比較はコレ。
上がこれまでのボクのチタンティップ。
下がULTIMATE TOP。
印籠部はボクなりのこだわりで上の形状にしてたんだけど、海猿さんの釣行回数で問題ないのであれば、ボクの周りでチタンが折れてしまっている人は熱の影響が大きかったのかもしれないね。
しかも、諸元通りの先径や元径。
素晴らしいの一言しか出てこない。
ブランクとULTIMATE TOPの仮継ぎ
印籠部の加工がある程度済んでいる状態となれば、ブランクへの仮継ぎもできるはず。そう、これをいちばんやりたかったんです。
これまでは、仮継ぎをするにもチタンティップのテーパーと印籠部の加工をしなければならなかったので、5本試そうとすると相当な時間がかかっていた。
1週間以上は軽くかかっていた時間が、このULTIMATE TOPはテーパー部も印籠部も加工済みなので、開封したらすぐに仮継ぎができる。
今回、仮継ぎに選ばれたブランクはマグナムクラフトのX5914。
「何でそんなマイナーなブランクで試すんだよ!」
…と思わないでくださいね。
いま作成中のロッドのブランクがX5914なので、お許しください。
もうすでにリールシートも付いていて、チタンティップが届くのを待ってたんです…
ちなみに、このブランクの諸元は下記のとおり。
- ブランク名:マグナムクラフト X5914
- マテリアル:35tと40tの06カーボンのコンポジット
- 全長:1725mm
- 重さ:20g
- ティップ先径:1.8mm
- バット元径:7.6mm
- テーパー:レギュラーファースト
ティップの先径もそこまで細く無いし、特別軽いわけでもない。
高弾性カーボンのみじゃなくてコンポジットだし。
でもねぇ、ベリーからよく曲がって結構楽しいブランクなんですよ。
それでは、各チタンティップとの継部とベンディングカーブをどうぞ。
ちなみに、X5914のティップ部は無加工です。
ティップを痛めないようにするため、先端に青いスレッドを巻いています。
また、画像を拡大したい場合は、画像をクリックしてから表示させると見やすくなります。
17standardの元径は1.3mm高弾性カーボンのみじゃなくてコンポジットだし。
でもねぇ、ベリーからよく曲がって結構楽しいブランクなんですよ。
それでは、各チタンティップとの継部とベンディングカーブをどうぞ。
ちなみに、X5914のティップ部は無加工です。
ティップを痛めないようにするため、先端に青いスレッドを巻いています。
また、画像を拡大したい場合は、画像をクリックしてから表示させると見やすくなります。
17standardとX5914
若干おさまりが悪いけど、無加工でここまで入るのは素晴らしい。
ティップ側を棒ヤスリで少し削ってあげれば良いだけだね。
では、ベンディングカーブはどうでしょう。
元径1.3mmから先径0.56mmのテーパーなので、けっこう柔らかいティップ。
チタンティップのレングスが190mmと長めなので、これだけでも操作感度はかなり良く、水深のあるポイントで重潮を探ったりレンジの把握が容易にできそう。
個人的にはもっと張りのあるブランクに付けた方が使い勝手が良くて楽しそうかな。
17deepとX5914
17deepの元径は1.2mmと、ULTIMATE TOPのシリーズ5本の中でいちばん細い。なので、X5914のティップ無加工でも、ギュッと押し込んでやればピッタリと入る。
無加工でそのまま使えるってすごい。
では、ベンディングカーブを見てみましょう。
ティップを天井に当てた感覚は、一言「柔らかっ!!」
もうね、グニャって感じでめちゃくちゃクセが強いティップですわ。
元径1.2mmから先径0.56mmのテーパーで、しかも5本の中でいちばん長い200mmですよ…
キャストをする時点で要注意なティップですね。
使いこなすにはかなりの慣れが必要になるかもしれないけど、これが使いこなせるようになると新しい世界が見えそうだな…
これも、ベリーまではある程度シャキッとしていて、ティップが少し柔らかいブランクだと相性が良いのかなぁ…ちょっと難しい。
水深があるところで重潮探ってても、重潮に負けてティップが入りすぎちゃうイメージはできた。笑
クセが強すぎて絶対に使ってみたくなった。笑
19standardとX5914
19standardの元径は1.4mmULTIMATE TOPの中では2番目に太い元径なので、無加工だと若干おさまりが悪いけど、少しブランク先端を棒ヤスリで広げてあげればキレイに入るね。
では、ベンディングカーブはどうかな?
いいねぇ、いいねぇー!
ブランクとの継ぎ目もキレイだよ。
元径1.4mmから先径0.6mmって、ボクがチタンティップに求めてたテーパーなんですよ。
ブランクの先径が1.6mmから1.8mmくらいの場合は、チタンの元径が1.4mmから1.5mmだとチタンティップとブランクの継ぎ目のベンディングカーブも美しくなるんです。
ちなみに、チタンティップのベンディングカーブは、汚くても感度を損なうことは無いと思います。
キレイにすること自体が高難易度なので。
ボクがベンディングカーブにこだわるのは、自己満の世界です。
レングスは170mmと、これまた扱いやすい長さ。
早い動きの繰り返しは得意じゃないけど、扱いやすさと楽しさのバランスが取れている。
ブランクは柔らかい系でもパッツン系でもそれぞれ違った楽しさが味わえるね。
今まで苦労して、失敗したりしながらかなりの時間を掛けて作っていた理想のテーパーのチタンティップが、これからは簡単に手に入るなんて…幸せすぎる。
19deepとX5914
19deepの元径は1.3mm。17standardと同じ元径なので、ほんのちょっとブランクの先端を広げてあげれば簡単にピッタリになるね。
では、ベンディングカーブは?
19deepの先径は0.6mmで、レングスが185mmなので、17standardと似た感じですね。
17standardと比べるとレングスが5mm短いのと、先径が0.04mm太いので、気持ち張りを出せるといった感じかな。
扱いやすさで言えば、19deepの方がすこーしだけ扱いやすいかも。
ボクが組み合わせるとしたら、AJX5917に合わせるんじゃ無いかなぁ。
そんなに水深が無い場所でもロッドをシャカシャカ動かさなければ全然問題なく遊べそう。
これも万人受けしそうですね。
19shortとX5914
最後は19shortで、元径が1.5mmといちばん太い。これまでの中でいちばんティップ側の内径を広げないといけないけど、大した作業じゃ無い。
棒ヤスリでクリクリすれば良いだけ。
ただ、AJX5917とAJX5919はブランクの先径が1.6mmと細いので、ギリギリまで拡張しないとキレイにおさまらない。
慎重に拡張することと、ブランクの先割れ対策はちゃんとやっておいた方が良さそう。
では、ベンディングカーブはどうだ。
元径1.5mmだけあって、キレイなカーブですね。
でも、先径も0.7mmとULTIMATE TOPの中でいちばん太くて短いのでコイツもクセが強いよ。
パッツン系が好きで、アクションを多く使って、カツーンっていう硬い反響が大好物な人には合いそう。
でも、スローで重潮を探りながらアジを探すような場面は苦手だね。
重めのリグを扱うキャロ用ロッドとか、単体で3gとか使う場合は楽しいかも。
ブランクは、硬めのAJX5919でそのままムキムキロッドにするのも良し、 意外と柔らかいX5915とかも面白いかもしれないね。
2.5gフルキャストした沖ボトムのデカアジを仕留めるならこのティップだな…
クセは強めだよ。
ULTIMATE TOPに触れてみて
と、ボクの経験と好みからの感想になるから参考程度にとどめておいてください。ロッドビルダー目線で、今回ULTIMATE TOPに触れてみて思ったことは。
- これからチタンティップのアジングロッドを作ってみたいと思っている人。
- 今までロッドビルドをやってきたけど、チタンのテーパー加工をやったことがない人
- アジングに新しい感覚や楽しさを求めている人
は、ULTIMATE TOPを使ってみると絶対にロッドビルドとアジングが楽しくなる。
理由を1つ挙げるとしたら…
相当な精度と時間を費やすチタンティップの印籠部とテーパー加工が、異なる楽しさを味わえる5種類に厳選されて、殆ど自分が手を加えなくても手に入れられるから。
これに尽きる。
今まではこんなに精度高くテーパーと印籠部加工が済んでいるチタンティップは無かったから、個人ビルダーがやるとなるとそれなりの工具と時間と労力とセンスが必要とされて、誰でも得られるものじゃなかった。
その間口が広がったんだから、勧めない理由がない。
7月1日からはサバロでも取扱いが始まるみたいだけど、MIZARのサイトなら6月30日まではオープン記念セールをやってます。
しかも、ステッカーももらえるし。
それでは、素敵なロッドビルドlifeを!
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