前回の釣行時に、ボクのアジングロッドのチタンティップが抜けてしまいまして…
そこから釣りもビルドもモチベーションが低下して、外気温の低下も追い討ちをかけて自宅でぬくぬくとしております (^^)

そんな時にいつもモチベーションを上げてくれるのが、友人からの修理依頼。
ボクの周りには、どうしてこんなにも釣りバカが多いのだろうか笑
どんなに暑くても、寒くても、常に魚を追いかけている。

そんな仲間たちがいるから、ロッドビルドも細々と続けていられるんだな。
感謝しかない。

エギングロッドのティップ折れ

5E3C75B6-3C55-4747-8C79-D910B88ACCF8
さて、今回の依頼はエギングロッドのティップ折れ。
ラインが絡んだ状態でキャストしてしまったかもしれないと。

ティップはチューブラーで、ティップ先径は外径1.4mmほど。
チューブラーティップが折れた場合の修理方法は主に2パターン。

①折れた箇所が先端付近の場合
そのまま破損箇所を詰めてトップガイドを付け直す。
場合によっては1番ガイドの位置変更も必要。

②折れた箇所が1番ガイド寄りか、1番ガイドよりもバット側の場合
ティップ側のカットする箇所が長いため、ティップをソリッドで継ぎ足す。
所謂ソリッドチューンといわれているヤツ。

いずれの場合も、ロッド特性は変わる。
印籠継ぎでチューブラーティップのまま補修する方法は、強度面からおすすめしない。
どうしてもそのロッドの特性を失いたくなければ、大人しく同じロッドの1#をメルカリとかで探して買いましょう。

今回ボクが選んだ修理方法は
アジングロッドほど繊細さは必要ないでしょうという理由。
これは、依頼主にも確認済み。

それでは、やっていきましょう。

トップガイドの取り外し

12043442-3435-402D-BBC7-B9CCD16D6E4A
では、トップガイドを外していきましょう。
カッターでコーティングとスレッドを剥がしていきます。

5BAFED2B-D4F6-49D8-8AF9-19FA65BBA830
ブランクとガイドの継ぎ目が見えたので、キレイに剥がしたらライターで炙ってスポッと抜けるでしょ。

…ん?
抜けない。

もうちょい炙るか…
抜けない。

こうなったらお湯で煮たてて接着剤を柔らかくしてから…
抜けない。

ペンチで無理やりブランクを掴んで抜こうとしたもんだから、ブランクがズタズタになってもう掴めない…
参ったな。
さすが市販ロッド。
強度がハンパない。

こうなったら最終手段。

FB1F3C9C-2B9D-4CA4-A14F-4C449CE01947
卓上旋盤に1.5mmのドリルビットをセットして、トップガイドのパイプにブッ刺していく。
どんどんカーボン粉が出てきて気持ちいい( ´Д`)

これでしっかりとブランクが差し込めるようになった。
持つべきものは小道具。
あれこれ考えながら解決していくのって楽しいわ。

この卓上旋盤の、その他の活用方法はこちらの記事をどうぞ。

ブランクチェックと破損箇所の切断

483A6D89-47F1-41B5-8B60-43B7C33CB196
続いて、ブランクの損傷チェック。
見えない亀裂が入っていないかを入念にチェック。

若干の口割れを発見したので、その箇所を切断する。
マスキングテープで目印を付けて、卓上旋盤にダイヤモンドカッターをセットして切断。

F8B00037-B98D-4E35-BD62-F982EBB67BD6
これで、トータル20mmほどブランクをカットしたことになる。
ちなみに、このままトップガイドを付けてみると。

3981B7FC-EBAD-4DB5-A8C2-04F3C8EF7F14
うん。ダサい。
トップガイドと1番ガイドの間隔が、明らかに寸詰りになっていてダサい。

ダサいだけじゃなくて、糸抜けとかベンディングカーブにも影響が出て、ブランクへの負荷が増えそう。
位置の調整をしなきゃ。

1番ガイドの位置変更

9396C639-DDFB-4238-9431-491FE2795408
それでは、1番ガイドを外します。
ガイドフットの上に乗っているコーティングやスレッドをカッターで剥いだら、ポロッと取れます。

32DC9924-CB8A-4A8D-9DAA-A9FE03E309A7
そして、ブランクに残っているスレッドとコーティングを剥がします。

やっぱ、20gくらいのリグを背負うロッドは太いCスレッドを使ってる。
巻くのが楽そう…
でも、ボクは持ってないからAスレッドで許してね。

仮止めした位置はこんな感じ。

127C134A-E08D-422F-A1E9-67A2E9E949D0
違和感無くなったでしょ?

2CC15314-221D-444E-9A4B-38995805D937
ちなみに、赤丸の箇所が元々の1番ガイドの位置。
見た目でわかっちゃうから、最終仕上げでコーティングで補強しなきゃ。

ちなみに、比較画像はこんな感じです。

F700DB27-3FE4-44D7-A2C4-E181B9ECCD08
一応、1#だけでラインを通してベンディングチェックをしてます。

コーティングが固まれば、修理完了

FEFE1C09-8B5F-4FC4-8898-1A39405C4145

8DC768AE-9035-4171-A673-A036E4979577

CB60A48D-AF5E-42EB-A0A9-8A6A9E0DBB53

45B626F6-76E9-4F8D-97A1-30DC4A6FB9FD
スレッドカラーはブラックにゴールドのピンラインという簡単なヤツだったので、市販品により近く仕上げられたんじゃないかな?

また引き続き戦力になって最前線で活躍してくれると嬉しいです。
美味いイカや、ビッグなシーバスを引き寄せてくれますように。

作業開始からコーティング硬化まで丸2日。
作業時間は1時間程度。

たいせつな竿の破損も、意外と簡単に修理できるかもよ?
それでは、素敵なFishing Lifeを!