先日、作業場の掃除をしました。
そしたら、ビルド熱が一気に下がりました。

予想通りだぜ(゚Д゚)

一度キレイにすると、キレイなままにしておきたいもの。
ただ、そんな事はいつまでも許してはくれず、ロッド修理の依頼がきたよ。

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2ピースロッドのバット側。
ちょうど逆並継ぎのジョイント部よりやや下辺りから折れちゃってますね(ノД`)

ということは、今回は印籠継ぎと逆並継ぎの練習が出来るってワケだ( ´艸`)
新たなチャレンジにビルドスイッチもON!
さっそく修理していこう。

破損箇所をキレイに整えよう。

今回預かったロッドは、メバルロッド?
メジャークラフトのZALTZというチューブラーロッド。
レングスは8フィート6インチの2ピース。

「デザインとかベンディングとか気にしなくて良いから直れば良いお」

とのことだったので、破損個所を整えて、短くなった部分にアジングロッドのブランクの廃材を印籠継ぎ
で少し延長して、そこから1#とのジョイント部の逆並継ぎの調整をしようと思う。

ロッドの継ぎ方、印籠継ぎや並継ぎの詳細に関しては説明しないので、気になる人はググってくださいな。

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まずは、ブランクの亀裂が入っている箇所を全てカット。
亀裂が無いように見えても、力を加えると亀裂が見えることがあるのでしっかりチェックしよう(p_-)

カットが終わったら、外径がちょうど良さそうなブランクの廃材探しだ。
ロッドビルド時にカットしたブランクの廃材を引っ張り出してめぼしいものを探す。
ブランクの廃材、捨ててしまう人もいるみたいだけど、ボクは貧乏性なので、「何かに使えるかも( ´艸`)」っていつも取ってます。

まぁ…今回までは一度も出番は無かったけどな(T_T)笑

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太さ的に合いそうなモノをチョイスして、さらにそこから選定作業に入る。
印籠と逆並継ぎだから、内径と外径がドンピシャのヤツを探すのが大変なんだよ(ノД`)

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色々試してみたり外径測定した結果、AJX5917の廃材を少し加工すれば良さげだと判断。
感覚だよ、感覚。直感を大事にしたい。
(細かいの考えるのが面倒なだけ)

印籠継ぎの為のフェルール作成

まずは、破損してカットしたブランクを元々の長さに延長するための補修。
イメージ的には、ブランク側の中空部に芯となるパイプをぶっ差して、そのパイプに延長用の廃材ブランクを繋げる感じ。

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こんな感じ。
右側がグリップ側。
この、芯になる部材をフェルールって言う。
フェルールっていうのは日本語では「継ぎ手」だそうな。

今回は、右側と左側のブランク内径が異なるので、左右非対称なフェルールを作成するのだ。
フェルールの長さ?
適切な長さがどんなもんなのかわからん…
感覚と直感だ(゚ロ゚)

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やってみて改めて思ったのが、やっぱり旋盤は一家に一台必要だと思ったよ。
すごく便利で作業が捗る。
これのおかげでこれまでは苦だった作業が楽しくなるんだもん。

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今回初めてフェルールを作ったんだけど、先端から徐々に削っていった。
削って、ブランクを差し込んでみて、また削っての繰り返し。
一気にやると、少しでも削りすぎたら全部がスカスカになっちゃって全部やり直しになるからね(ノД`)

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こうやって、ある程度削ったらブランクを差し込んで具合を見てみる。

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最初はダイヤモンドヤスリでガッツリ削って、フラット出しで耐水ペーパーの400番で調整していく感じ。

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よし、いい感じにできた。
それにしても、すごいカーボン粉の量だぜ。

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左右で外径が違います。
左側がグリップ側で、右側がティップ側。
こうやって完成系を見ると、サクッと一発で成功したように見えるでしょ?

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ででーん。
実は2本も失敗してます。
削りすぎてスカスカになっちゃった(ノД`)
そりゃ、カーボン粉も大量に出ますわ。

コツを掴めば感覚で何とかなりそう。

逆並継ぎのジョイント作成。旋盤様々だ。

延長部のブランクを継ぐ為のフェルールが完成したら、今度はティップ側の1#を差し込むための逆並継ぎのフェルールの作成である。

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結構長いけど、これも先端から徐々に削っていって、試しに差し込むの繰り返し。
ブランク延長の印籠継ぎよりも、こっちの方が神経使う。
振ってカチカチ音がしないかどうかも入念にチェックしながらの作業。

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これぐらいで大丈夫かな?
振っても音はしないけど、実際にグリップを持ったり、リグを付けて振るのとは違うから、ブランクの補修箇所を完全に固めてから最終チェックするとしよう。

しかしこれ、旋盤持ってなかったらやりたくない作業だわ(´Д`)

ブランクの補修箇所を印籠継ぎでエポキシで接着

これまでに作成したパーツ類はこちらの2つ。
失敗と微調整の繰り返しで意外と時間が掛かってしまった( -_-)

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フェルールにエポキシをたっぷりとつけて接着しますよ。
はみ出てきたエポキシは、薄め液を含んだティッシュでキレイに拭き取りましょう。

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さて、これでしっかりと固まれば、あとは飾り巻きをしてコーティングすればオッケー。
ブランクの途中で部分的にマーブル模様のアンサンドなブランクが混じるなんて…良い味出してるじゃないか(自己満)

継ぎ目の補強と飾り巻き

印籠継ぎをした箇所を、カーボンロービングで補強をする。
スレッドでも良いみたいだけど、何となく強そうだからカーボンロービングを選択。
コーティングして、研磨して、またコーティングが必要だから時間が掛かるんだけどね(´Д`)

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そして、逆並継ぎのジョイントの下部には飾り巻き。

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自分のロッドには好みの問題でインレイは使わないんだけと、今回は他の箇所と同じようにスレッドを巻くから、久々のインレイをやったよ。
ロッドビルドを始めた頃に練習でやったきり(^^;)

スレッド巻きって、奥が深いよね。
和なデザインに目覚めたときには、是非色々とやってみたい。

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さて、ここまで来たらあとはコーティングだ。
いつものブランクよりもかなり太いから、感覚が狂いそうだな。

ロッド破損の修理を終えて。

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…少し雑なコーティングになったけど、完成。
ロッドを破損させたことが無いので、初めての修理だったから強度面とか不安がっいっぱい。
また折れちゃったら原因を見極めてそこの補強を重点的にするとしよう。

今回も貴重な経験を得られて勉強になりました。
改めて思ったことは、「旋盤買って良かった」

それでは、素敵なFishing Lifeを!