チタンティップのロッドって、何でもできちゃう魔法の杖じゃないよ?
チタンティップのロッドを手にしたからって、沢山アジが釣れることには繋がらないよ?

ボクがチタンティップのアジングロッドを作る理由は硬いのに良く曲がるから。
反響感度と操作感度を両立させやすい。
だから、ボクにとっての楽しいアジングが出来る。
そう。楽しむために作ってるんです。

でも、楽しいっていう感覚は人それぞれ違う。
だから、チタンティップのロッドを使っても楽しめない人がいるのは当然だと思う。

チタンティップの特性を発揮できるシチュエーションもあれば、チタンティップじゃなくても良いシチュエーションもある。
カーボンソリッドやチューブラーで自分好みを求めるのもロマンが有るよ。

たまたま、ボクはチタンティップの特性が楽しめるシチュエーションでのアジングにハマって楽しんでいるだけです。

さて、そんなチタンティップをブランクに繋ぐには、少し加工が必要。
持ってる道具や機材でやり方は変わるけど、ボクなりの加工方法を紹介するよ。
ちなみに、「こんなやり方でやってるよ」ってだけで、これが正解じゃないと思います。
自分のやりやすい方法で楽しみましょう。

チタンティップの長さを決めてマスキング。

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今回チタンティップを繋ぐブランクは、マグナムクラフトのX5915 An。
ボクが大好きなブランクね。
コイツのティップ径は1.7mm。
多少の個体差があるよ。

これに0.7-1.2mmのテーパーのチタンティップを180mm繋ぐ。
チタンやブランクのテーパーを弄らないでキレイなベンディングを出すなら、0.7-1.5mmのチタンを選択するっていうのも有りだけど、重くなるし張りが強くなる。
お好みで選ぶべし。

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ブランクに差し込む部分は6mm。
この埋め込み部の長さは結構個人差があるから、自分の好みは経験で探してね。
短いと抜けやすいけど、極力軽くしたい。

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ちなみに、多少の反りは絶対に有ると思っていた方が良いよ。
チタンだから簡単に直せるし。

チタンは硬い。機械の力を借りて研磨しよう。

昔は電動ドリルを使っていたけど、今はちっこい旋盤を使ってる。
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チタンティップをカットせずに旋盤にセットして、差し込み部の研磨をする箇所をマッキーでマーキング。

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旋盤を回して、ダイヤモンドヤスリを当てる。
回転はマックスの方が研磨が早いけど、その分すぐに熱くなる。
熱が入るとチタンは折れやすくなるから、水で冷やしながら削るか、回転数を落として少しずつ削るのが良いと思う。

ちなみに、ボクはチタンが折れたことは無いです。

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これくらいになると面倒くさくなるし、面がガタついてキレイじゃない。
ペンチでカットして、いつもの方法に移行する。

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金属用の砥石をセットして、手でチタンティップを回しながら丁寧に芯を出しながら削って形を調整していく。

ブランク側の内径拡張は丁寧に。

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ブランクのティップ部。
このままだとチタンティップは差し込めないから、内径を拡張する。


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先割れを防ぐために、必ずマスキングテープをキツく巻いて補強しましょう。

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チタンティップと似たようなテーパーのダイヤモンドヤスリで、ゆっくり回転させながら少しずつ拡張していく。
個人的にはリューターとかの機械でやるのはお勧めしない。
かなりシビアに拡張する必要があるから、面倒でも手作業がお勧め。

チタンティップとブランクを交互に調整してキツキツでハマる調整を。

ここからは、差し込んでみては調整、また差し込んでみては調整を繰り返す地道な作業。
真っ直ぐ差し込めるように妥協無くやりましょう。
埋め込み部が長い方が、真っ直ぐ差し込みやすいですよ。

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ちなみに、個人的にお勧めなチタンティップ差し込み部のテーパーは左側。
右のような形状にした方が、つなぎ目はキレイに出来上がるけど金属疲労で折れやすくなるよ。

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マスキングテープ同士がピッタリとくっ付く状態になればオッケー。
ちなみに、かなり力を入れて差し込んで、上の状態になるのがベスト。
簡単に差し込める状態だと、接着剤で固めても抜けやすくなっちゃうし真っ直ぐ差し込みにくいから。

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砥石で研磨すると、研磨面は結構ツルツル。
接着剤の足付けを良くするために、チタンを軽くダイヤモンドヤスリでザラザラにしたら完成。

あとは、ブランクティップ部の穴にエポキシ接着剤を流し込み、チタンティップを差し込んで真っ直ぐ繋がるように調整したら、逆さ吊りにして一晩乾かす。

ちなみに、手作業だけでチタンを削った事はない。
チタンはかなり堅いので、回転工具が無いなら買った方が良いでしょう。

市販品のロッドをチタンティップ化してみるも良し。
すでにあるチタンティップロッドのチタンティップ径や長さを変えてみるも良し。
経験と想像を重ねて自分の好みを見つけましょう。

それでは、素敵なFishing Lifeを!

ロッドビルドに関するまとめ記事はこちらをどうぞ。
アジングロッドのロッドビルド記事まとめ。迷ってるなら始めてみようロッドビルド。