魚釣りという病気は
死ぬまで治らない難病であると共に
人生という難病を治療する
特効薬でもある

ロイ・キリーク
 
死ぬまで釣りを楽しむために必要なことは、現状に満足しないことかなぁ。
「これが限界」とか「もう満足」と思った瞬間に、つまらなく感じてしまいそうな気がする。

「もっと○○だったら」という欲求があるからこそ、やめられなくなる。
それは、スキルもそうだけど、アイテムに関しても。

「釣る」という行為だけでも奥が深いのに、「釣るための竿を自作する」ってなると、底が見えないくらい深いから余計に色んな欲求が出てくる。

最近は、レジンクラフトについて色々調べていました。
樹脂を使ってアクセサリーとかを作るやつね。
たくさんヒントを貰ったので、今後色々試したい事が増えた…

当分、満足しそうにありません(笑)
それでは、軽さとビジュアルとグリップ感を両立させたリールシートの制作に入ります。

DPS custom

■目次

 ▶DPSリールシートのアルミ部を外す
 ▶カーボンロービングを巻いて補強
 ▶カーボンロービング部のコーティング1回目
 ▶カーボンロービング部のコーティング2回目
 ▶SDナット部の加工

■DPSリールシートのアルミ部分を外す

過去記事、自分好みのリールシートを求めて【備忘録】でも紹介したとおり、DPSリールシートのアルミ部を外して軽量化。
丸まっているフード上部をペンチで伸ばしてやると少しやりやすくなる。

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ヒートガンで熱して、ペンチでアルミ部を引っ張りながら、黒い樹脂部をマイナスドライバーで押し出すイメージ。
フードを回しながら少しずつアルミを抜いていくようにすると外しやすい。

ヒートガンで熱しすぎると、マイナスドライバーで押し出す樹脂の部分が変形してしまうので、熱しすぎないように注意。この辺は感覚で覚えるしかない…

取り外した樹脂の部分はたったの1gと軽いけど、指でグッと摘まむと変形するほどの柔らかさ…
このまま使用すると強度的にも心配。

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■カーボンロービングを巻いて補強

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強度的に心配なので、カーボンロービングを巻いて補強する。
「Fuji」のロゴ部分の突起は邪魔なのでカッターでカットして平らにしておく。

スレッドを巻くのと同様に、テンションを掛けながら巻いていく。
巻き始めは、自分はアロンアルファでとめてます。

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カーボンロービングって、ものすごく細いカーボン繊維が束になっているものなので、コツを掴むまでは途中でピョンピョン飛び出してくる場合があります。
自分は、途中でアロンアルファで固めながら巻いていきます。

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巻き終わりもアロンアルファで止めて、ハサミでカット!
カットした部分が浮かないように、再度アロンアルファを付けて、楊枝等で押さえてくっつければOK。

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■カーボンロービング部のコーティング1回目

巻いたカーボンロービングをコーティングする。
自分が使用しているコーティングは、フレックスコートのライトフォーミュラ。
2液を混ぜたものをヒートガンで暖めて、粘度を低くしてから混ぜると気泡が出にくい。
ドライヤーと違って、ヒートガンは超熱いので熱しすぎ注意。

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2液をしっかり混ぜるために、ゆっくりしっかり混ぜる。
自分は3分くらい混ぜ混ぜします。
早くかき混ぜると、気泡だらけになるので注意。

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混ぜ終えたあと、気泡を落ち着かせるために3分ほど置いておく。
多少の気泡は後で抜けるからそのままでも大丈夫。
気泡が酷い場合は、再度ヒートガンで暖めて抜いてやると良い。

フィニッシングモーターに廃材のカーボンパイプをセットして、フードを固定。
コーティング液が垂れるかもしれないので、カーボンパイプにはマスキングテープを巻いておいた方が良い。

ナイロンの平筆に、コーティング液をたっぷり染み込ませて、カーボンロービングに塗っていく。
最初はカーボンロービングにしみこんでいくので、かなりたっぷり塗りましょう。

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凹凸が出来てても気にしなくて大丈夫。
この後もコーティングしていくので、固まってからサンドペーパーで削っても良し。
削らずに上乗せで2回目のコーティングをやっても良し。

コーティング液を塗り終えたら、硬化するまで24時間くらい待ちましょう。
「ちゃんと硬化してね」とおまじないを忘れずに!


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■カーボンロービング部のコーティング2回目

さて、1回目のコーティングが無事に硬化したら、次は2回目のコーティングに入る。
ネームを入れない場合は、ここで最終コーティングとなるので、このコーティングで「ヌルテカ」にしないといけない。

自分はネームを入れるので、今回はちょっと小細工を入れてみることにした。

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カップの中にはコーティングの主剤(レジン)が1.5ml。
右側にあるボトルは…?

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そう、着色料。
これは「ヴィトラーユ」という水性アクリル絵の具。
レジンクラフトの世界では、レジン(樹脂)の着色に良く使われているみたい。
主剤(レジン)をヒートガンで暖めて、粘度を下げて混ざりやすくする。
クリムソンという赤いカラーを5滴入れると上記のような色合いになった。

ゆっくり混ぜてむらがなくなったら、硬化剤を1.45ml入れて3分ほどゆっくりかき混ぜる。

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続けて、ディープブルーも同様に作ってみる。
ディープブルーは、1滴でもこの濃さ。
色にこだわりだしたら大変そうなので、ほどほどにします。

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2回目のコーティングは、かなりふっくらした感じにコーティング液を盛る。
これは、好みの問題だから薄い方が好きな人は薄く塗ってください。
このヌルっとした感じが大好きですわ。

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あとは、24時間程度フィニッシングモーターで回して硬化を待つのみ。
しっかりと硬化しますように…

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夜にコーティングをしてから寝たので、朝起きたら硬化チェック。
今回はカラーを入れたから、余計に硬化不良が心配だったけど…
爪を強く立てたら痕がつく程度に固まってる!
この感覚なら、経験上仕事から帰ってくるとしっかりと固まっているはず…

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仕事から帰ると予想通り固まってた!
ブルーはパッと見黒く見えるけど、光の当たり具合では深みのある渋いブルーでカッコいい!
赤は、茶色っぽい感じで悪くないけど、もう一滴入れても良かったかな?
ただ、カラーを入れすぎると硬化不良の要因になるらしいので、少しずつ試していきたいと思う。
カラーの分量はレジンの量の10%未満じゃないと硬化不良を起こしやすいみたい。

コーティング剤を使った遊びは他にも色々できそう。
その前に、ロッドの性能を追求しろって話だね…(笑)
まぁ、こういう遊び心もたまにはお許しください。

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■SDナット部の加工

続いては、SDナット部の加工。
ノーマルのままのSDナットの重さは1.8g。

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大して重くは無いんだけど、自分はワインディングチェックをたくさん使う傾向にあるので、少しでも軽くする必要がある。
ナットの締めやすさも考慮して、半分くらいに引き鋸でカットする。
まずはマスキングテープで養生して。

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地道に引き鋸でカット。
支えてる方の指が痛いわ…

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切り口は、こんな感じでこのままじゃカッコ悪くて使えない。
耐水ペーパーで丁寧に削っていく。

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耐水ペーパーの番手を120→320→800→1200の順に、だんだんと細かくしていって、最後は磨く感じ。
これくらいになれば、見た目も大丈夫でしょ。

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反対側はアルミ部にはめ込む構造になっているけど、今回はアルミ部を取っちゃってはめ込めないからカット。
カットした部分も耐水ペーパーで磨いてフラットにする。

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これで重さはどれくらいになった?

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たったの0.7gの減量…(笑)
まぁ、やらないよりは軽くなったしスリムになったから良しとしよう。

ここまでで、時間にすると数日間掛かってる。
ロッドビルドって、乾かす時間がかかるから結構時間がかかるんだよね。
でも、その間に釣りに行ったり、別の作業したり、読書したり、のんびり進められるのが良いのかもしれない。

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ちょっと独特の雰囲気が出て、オリジナリティが増した。
太陽光に当たると良い色出るね!

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今回はここまでで終了。
いつものコーティングに、ほんの数滴カラーを入れるだけでオリジナリティが出せます。
ちゃんと硬化するのも実証済みです。

軽量化も出来て自分の好きなカラーも入れられるので、しばらくは気に入って使いそう。
このフード部は、IPSリールシートのフード部としても使える(スクリューも加工が必要だけど)ので、オリジナリティを出してみたい人は、是非やってみてください。

今回使用したコーティング剤はこちら。

それでは、素敵なFishing Lifeを!

ロッドビルドに関するまとめ記事はこちら。
アジングロッドのロッドビルド記事まとめ。迷ってるなら始めてみようロッドビルド。