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実は、半年ほど前から依頼をもらっていたものの、ボクの制作スピードが半減した関係でかなり時間を要してしまった。

今回の依頼主は、釣友の上司であるIさん。
実は、一緒にアジングしたことも無ければお会いしたこともない。

好みも知らないけど、全てのチョイスはお任せとの依頼。

数少ない希望は、カラーテーマは「黒と紫」。
そして、シングルハンドでキャストするのに慣れていないので、ダブルハンドで投げられるエンドにしてほしいとの事。

ボクの得意分野はショートエンド。
もう、ギリギリでダブルで投げられる程度のエンドにしてやる( ´艸`)

さて、どんなロッドが喜ばれるだろうか。
聞くところによると、Iさんはまだアジング歴が浅いとのこと。

となると、何かに特化したロッドじゃなくて、反響も操作もロッドの曲がりも、「良いとこ取り」のロッドを使ってアジングの沼にどっぷりと浸かってもらいたい。

それでは、個性あふれるバーサタイルアジングロッドを紹介します。

潮楽X5914シグネチャーモデル。Ver.ブランクスルーミドルエンドのスペック

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●ブランク
マグナムクラフト X5914
ボク自身初採用のブランク。
35tカーボンなのか、35tと40tのコンポジットなのか諸説あるけどボクはあまりそういうの気にしないです。

ボクの大好きな同シリーズのX5915とのベンディング比較は下記写真をどうぞ。
※マグナムクラフトのブログより引用
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ウェイトは140g。
ティップ位置上から
LG5918
LG5917
X5914
X5915

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ウェイトは280g。
ティップ位置上から
LG5918
LG5917
X5914
X5915

X5915の方が、ティップが柔らかいんですよね。
ティップ径は、X5914が1.8mm、X5915が1.7mm。

●ロッドレングス
5フィート6インチ

●ティップ
チタンティップ0.7-1.5 150mm
※埋め込み7mm除く

●ウェイト
39.0g

●ガイドセッティング
7ガイドオールトルザイト(T2)
3-3-3-3-6-8-16

●リールシート
カーボンDPSスケルトンリールシート Ver.blank through

本来であれば、自分がテストして問題ないことを確認した上で引き渡すんだけど、今回はボク自身が実釣せずに引き渡す事になりました。

これまでの経験と感覚だけで言うと、操作も反響も伴っていて、アジを掛けてからのやりとりも楽しめるバーサタイルなロッドになっているはず。
期待と異なるようであれば、何なりとお申し付けください。
何なら、返品もお受けします(^-^)
※ただ自分が使いたいだけか(ノД`)

エンド部周辺の紹介

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最近マイブームのブランクスルーショートエンド仕様。
まぁ、一度握ってみたらわかるよ。
こんなにフィットして、取り回しやすいグリップは他には無い。

今回は、希望によりダブルハンドでキャストできる長さにしているけど、もしかしたら将来的に「エンドをもう少し短くしたい」という要望が出てくるかもしれない。
いや、きっと出てくるだろう。

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その時のために、エンドは脱着式にして再利用できるようにしてます(笑)
これ作るの、意外と手間掛かるからさ(^-^;

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ぷっくり膨らませたコーティングは、単なる遊び心とオリジナリティ。
これだけでもだいぶ印象が変わるんだよ。

アジのスカルの上に、シグネチャーネームを刻む。

リールシート周辺の紹介

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マイブームのカーボンDPSスケルトン。
ロッドを制作する上でいちばん時間がかかっているのはこのリールシートです。

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せっかく艶消しの4軸カーボンパイプを使っているので、ネームやコーティングは入れずに落ち着いた雰囲気を出そうとしてみた。
4軸な時点で落ち着いていないように見えるかもしれないけれど(*_*;

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ボクのロッドである証。
潮楽の刻印。

リールシート周りで利用しているメタルパーツを記載しておきます。
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BLANK ZAPPERは 流星フィッシングワークス を。
マタギはサバロをどうぞ。

ガイド周りの紹介

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バットガイドから順に。
ガイドフットを短く削っている以外には特別なことはしていないので、写真だけ並べます。

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ちなみに、チタンとブランクの結合部のガイドラッピングの長さは5mm程度。

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チタンティップ部の1番ガイドは3.75mm。

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そして、トップガイドは3.94mmとなってます。

かなり攻めているので、使っているうちに動き出さないかが少し心配(*_*;
ただ、ここだけはなるべく面積を減らして軽快感を出したいのだ。

ビルドを終えて

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かなりの時間が掛かってしまってお待たせしてしまいました。
一番の要因は、リールシートの分離しないカーボンロービングフード部の制作に時間が掛かってしまってました。

まとめて4個くらい作っていて、それぞれの完成度に納得するまで時間を費やしてしまった(ノД`)

だって、釣友の上司のシグネチャーロッドだから、このロッドの出来次第で釣友の評価も変わるんでしょ?(゚o゚;
そりゃぁ大事に丁寧に作りますよ(笑)

心残りなのは、自分が実釣して確認できていないこと。
いつか釣り場でご一緒させてもらって、自分の感覚と釣り場での感覚に相違がないかを確認させてもらいたい。
※自分のためかよ(ノД`)

ここからは余談。
ロッドビルダーによって考え方は様々だと思うけど、ボクは、ボクが作ったロッドを使ってくれようが使って無かろうが気にしません
もし使ってないのであれば、自分が使いたいので、パーツ代を返金して返品対応したいくらいです(^-^)

なぜかというと、人様を満足させられるような技量が自分にはまだ無いから。
もし作ったロッドを使ってなければ、好みに合うロッドが作れなかった自分の技量不足だと認めるのだ。
リビルドの依頼が来たら最高ですがね(^-^)

だって、自分向けに作ったものですら、好みに合わなくて使わなくなるロッドが有るくらいなんだもん。
人様のロッドなら尚更です。

じゃあ、なんで人様のロッドを作るのかって?
極端に言えば、自分の経験値をあげたいからなんです。

ロッドビルドって、どんなに知識が豊富で頭でっかちでも、実際に作った経験が少ないと自分を含めて人が満足するロッドは作れないと思ってます。

せっかく人様のロッドを作るんであれば、その人が喜ぶロッドを作りたいというのも本音なんですが、最初からそんなことは無理で、経験が少ないと人様が喜ぶロッドなんて作れない。

だから、自分以外の人のロッドも作ることで、経験値を増やしていきたいのです。
矛盾しているようですが、上手くなるためには経験を多く積むしか無いので。

作るたびに良い作品ができるけど、まだまだボクの技術や知識はお子ちゃまレベル。
これからもたくさんの経験を積んでいきます(^-^)

自分の技量に自信が持てるようになったら、パーツ代だけじゃなくて作業費も貰うようにするつもり。
それまでは、修理もリビルドも、新たなパーツを購入しない限りは無料です。

とはいえ、とても気分屋なので作りたいと思った人のロッドしか作らないし、すごく時間が掛かってしまうんですがね(ノД`)
 
ロッドビルドが上手くなりたい人は、とにかく沢山の経験を積んで自分の技量をあげていきましょう。

それでは、素敵なロッドビルドLifeを!

マグナムクラフト X5914